2023年度浜松市鴨江アートセンター 制作場所提供事業 アーティスト・イン・レジデンスのアーティストとして採択されたことがきっかけとなった。多文化共生事業に興味を持ったため浜松国際交流協会(HICE)にご協力いただき、「これからバディ」という交流を目的とする取り組みに継続的に参加。その中で構想をしたのがこの「みんなではたづくり」ワークショップである。このワークショップのための練習日となる機会も設け、全2日開催とした。

 日程は2024年2月3日に設定し、参加者一人一人が「自分を表すもの」を持ち寄り、その物体もしくは写真を用いて1人1つ の版を制作した。
 まず、【①現在世界においてどのような旗が存在するのか②旗の起源③近年生まれつつある旗】の順にモニターにスライドを映しながらレクチャーをした。
 そして、1枚の大きな布に、参加者全員の版をサイアノタイプ技法によって自然光でプリントしていく。芝 生の上に布を置き、掛け声を合図に一斉に版を布の上に置いていく。作者を含めた合計16人分のモチーフが集合した一枚の旗 が完成した。
 旗の図像を辿ることで浜松に住む、あらゆる属性(年齢、生い立ち、仕事etc)を持つ人々の姿が浮かび上がって くる。 個人の記号が集合して1つの旗が生まれるということは、1枚の旗の中でさえ複合性があるということであり、他者から記 号化されてしまうのではなく、自分から自分の表象を選び取ることを目的としている。このイベントが存在しなければ出会う ことがなかった人々を交差させ、浜松に多様な私たちが立っていることを記録した。
Back to Top